生涯未熟

プログラミングをちょこちょこと。

急に投資の必要性が叫ばれた理由を考察してみる

臆病者のための株入門 (文春新書)



そこまで詳しくないですが、「臆病者の株入門」に影響を受け考えてみた。





何年か前から急に「投資をしてお金を働かそう!」だったり「投資で一つ上の生活を!」とか話題になった。
その傾向は現在まで続き、お金にクローズアップされた番組すら放送されている。


個人的にはそういった金融リテラシーと呼ばれる基礎教養が促される社会風潮はとても良いと思う。(本当は子供時代に親が教えるのが筋かと)

何故なら、金融リテラシーという見通す目がある程度あれば、お金に纏わる変なトラップに引っ掛かることも無くなるだろうからだ。



人間が生きる上で金銭についての知識は避けては通れないのに誰も教えてくれないお金のこと。
なぜだか日本では「お金の話をするなんてお金にやらしい人!」と悪評を頂いちゃったりする。(目の前にあるものをあえて見ないようにするのは非実在なんちゃらと問題が似てるね)


かく言う私も我が家の財務状況が気になり、両親に聞いてみたところ「お前の立ち入る問題ではない」と一喝されてしまう、なんてことがありました。

こんな状況であるから、未だに誰それが提示するお金に関することを何も疑わずに受け入れちゃったりしちゃう環境が日本にはあるのだろう。
(書店員をやっているが絶対に当たる競馬術とかが売れちゃったりしてるのを何度か見たことがある)



なので、金融リテラシーの必要性が訴えかけられる流れとまだそれが身に付いてない流れ、この2つの流れに上手いこと乗って「堂々と嘘をつくこと」がまかり通っている。




例えば、一つ実話を紹介する。
ある時、某投資推奨雑誌を読んでいたら、「二大経済評論家がこれからの経済を読む!」と銘打たれた特集が組まれていた。
まだまだ経済ピュアだった私がふむふむ読んでいくと、片方の経済評論家は「これからの経済は悪くなる!」と言い、もう一方の評論家は「絶対に経済は上向きになる!」とスッパリ分かれた結論をだしてきた。

さすがに経済ピュアだった私でも「経済評論家って楽な仕事だな」と思わざるをえなかった。



この例を見た人は「経済なんて生き物と呼ばれるくらい予測不可能なものを予想しようとするなんてバカだなぁ」と思われるかもしれない。
しかし、この笑い話が何故か投資の域になると真面目な話にされてしまうのだ。




一般に投資の世界ではテクニカル分析ファンダメンタルズ分析の二大勢力に支配されている。
そもそもここからがアホな話で、競馬で例えると前者が「前のレースで◯番の馬が来たので、次はこうこうこういう計算をして◯番の馬が来る!」、後者が「この馬の馬脚はこれこれで、騎手が誰それなので絶対にこの馬が一頭だ!」と例えることが出来る。
両方とも全く根も葉もないことを言っているのが分かるが、実際こういうことなのだ。

こうすると実に分かりやすく競馬はギャンブルで投資もギャンブルということが分かり、この二大勢力が如何に頼りないかが分かる。



では何故そんな見る目が変わる投資マジックが起こるのか。
それは単に「金融に対する正しい目」が無いからである。


ここで、「投資はギャンブルじゃない」と熱弁を振るわれる方がいるかもしれないが、それを言うなら競馬など世に出てるギャンブルが真の意味でギャンブルじゃないのだ
ギャンブル学というのを学んでみるといいが、世に言うギャンブルで勝ち目のあるギャンブルはブラックジャックのみである。(詳しい理由は谷岡一郎氏の「ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学」を参照)



しかし、胴元が存在しない投資市場には、勝ち負けがプレイヤー間で取引されているので実に公正なギャンブルとなる。



公正なギャンブルとは言ったが一つだけ抜け道がある。
それは、カモを増やし勝率を上げる方法である。



先ほどの経済評論家様の例を引き合いに出そう。
もし経済評論家様A氏が非常に悪どい方で、かつ何らかの有力的なメデイアに露出出来る人だとしよう。
鋭い経済評論家様A氏ならこう思うだろう、「自分の発言力ならある程度他人の投資先をコントロール出来るんじゃないか?
後は言わずもがなである。


さすがにコントロールする程の力がある人は極稀である。
しかし、影響力が少なくとも色んな人が「投資はいいよ!」と訴えかけることで、取り合うパイの数を増やすことも出来る。

これが、カモを増やす方法である。




「なんて悪どい奴らだ!」と憤慨の声もあるかもしれないが、冷静になってほしい。
一応彼・彼女らも著書などで投資のリスクについては言及している。(一行などで済ますことが多い)

この世は常に騙される方が悪いのだ。



逆に言えば、投資は公正なギャンブルであり、儲かることも可能なのである。
預金で腐らせる金があるなら、一部余剰金でギャンブルしてみては?と言う意見も一理ある。


しかし、「預金の利率よりもっと良く、かつ安全にお金が欲しい」と言うワガママな方もいるだろう。
そういう人には是非「臆病者の株入門」をお勧めしたい。

この本を読む時には一つ注意して欲しい。
最後の一文でガッカリしないでほしいのだ
もしかしたらこの最後の一文は著者から読者へ向けた最大のアイロニーなのかもしれないのだから。